nananashinaの日記

禁欲・禁酒で人生を立て直す

バイバイ艦これ

酒よりも女よりも夢中になれるものが僕の人生に出てきて、それが『艦隊これくしょん』だった。

 

艦隊これくしょん』はDMMのサイトにあるブラウザゲームで一部のオタクたちに人気がある。
どんなゲームであるかを説明するのは難しい。
人によっては「こんなのゲームじゃない」という意見もあるだろう。
ただひたすらサイコロを振って、定期的にポチポチとボタンを押して、ドラクエのレベル上げを続けるゲームだと思ってもらって問題ない。
単純なだけに中毒性があり、パチンコのような高い射幸性も有しており、時間つぶしに適している。

時間つぶし、だって?

自分で書いていてなんだけど、それは違う。
ある時期の僕において、艦これは時間つぶしではなくて人生そのものだった。

ある休日のこと。
朝4時に起きて、艦これを始める。コーヒーを飲みながらクリックし続ける。
ドラクエのレベル上げと同じで、掛けた時間の分だけ見返りがある。それが単純に嬉しい。
パンを食べながら艦これを続ける。昼になる。頭が痛くなる。コンビニ弁当を買いに外へ出る。
その道中に艦これ情報をスマホで仕入れる。
コンビニで弁当とポテチとお茶とノンアルコールビールを2缶買う。

ひたすら食べながら艦これをし、日が暮れていく。

風呂の中にノートパソコンを持っていく。湯船に浸かりながら艦これをする。
明日の仕事が頭をよぎる。その仕事は面倒で、重く、辛い。その辛さが僕を艦これに向かわせる。

僕は仕事ができない。最近、特に自信を喪失している。
何をやっても落ちがあり、失敗する。負けぐせがついている。

そんな僕を艦これが癒やしてくれる。掛けた時間の分だけリニアに彼女たちは成長する。
僕に微笑んでくれる。例えそれがゲームサーバー上の数値の変化に過ぎないにしても。

夕ごはんを買いに外へ出る。すっかり日が暮れている。僕の頭の中には艦これの画面が泳いでいる。

時計を見ると21時だった。
朝4時からずっと艦これをやっていて、気づけば21時。

明日は会社。

一日が艦これで終わる。いや、終わらせた。自分で選択した。
あるいは、艦これに逃げた。今日やるべきをやらず、艦これに逃げた。

 

 

酒よりも女よりも艦これを選択する。

艦これは僕を受け入れてくれる。僕に小さな成功体験を与えてくれる。
僕は艦これを仕事以上の情熱でプレイする。クリックする。レベル上げを続ける。

艦これ艦これ艦これ。トイレに行き、出てきたらまた艦これ

遊べば遊ぶほど、やめられなくなる。やめたら損する。ここでクリックをやめれば成長が止まる。
とっくの昔に僕は限界を迎えている。仕事に支障を生じさせている。
ひたすら艦これに打ち込んでいる。

限界が来ている。
それを自覚する。一日中、ディスプレイを見つめている。
コンビニ弁当が嫌な臭いを発している。
限界がやってきている。
僕は僕の人生の崩壊を直感する。

 

 

DMMのサイトに飛ぶ。ログインし、退会ページを探す。

『退会すると、下記のサービスが受けられなくなります』というページが出てくる。
退会するとブラウザゲームのデータは復元できません、と脅してくる。

退会する。

『退会する理由を教えてください』というフォームが出てくる。
艦これが面白すぎたのでやめます」と書く。本心である。

退会する。

『退会処理が完了しました。またのご利用をお待ちしております』

退会した。

艦これのブックマークを消す。
艦これ用のchromeアドインを消す。

 

 

穴を掘って、穴を埋める。それを地でやる。
僕はこの2週間の艦これ依存を振り返る。酒も女も艦これの魅力には勝てなかった。
酒と女を強く欲し、ただそれを否定したがゆえの、艦これ依存だった可能性もある。

僕はあのクリックの快楽に溺れていた。
時間はあっという間に過ぎていった。クリックしクリックしクリックする。
その気持ちよさは確かにあった。安心感があった。ダメな僕を包み込んでくれた。癒やしてくれた。

癒しながら、その柔らかな毛で僕を包みながら、焼却炉へと向かっていった。
小さく揺れるベルトコンベアの中で僕はそのぬくもりにいつまでも包まれていたいと思った。
そのまま焼却炉へと転落する瞬間が待ち構えているとしても。むしろそれを望んでいたフシがある。

4時から21時までぶっ通しで艦これに溺れて、僕は限界を迎えた。

dmmへ飛ぶと、ログインできません、と表示される。
僕は楽園から追放される。

 

 

一つの依存から逃げた先にはまた新たな依存がある。
艦これから逃げ出した僕は、次は何に依存するのか。
いつになったら、この連鎖から脱出できるのか。

 

依存→逃亡→依存→逃亡→依存→……