nananashinaの日記

禁欲・禁酒で人生を立て直す

日報11日目 「全然、死ぬ気になってませんね」

将棋が好きだ。

でも、強くない。好きなのだけど、根を詰めて研究したりはしていない。

 

絵を描くのが好きだ。

でも、上手くない。好きなのだけど、根を詰めて練習したりはしていない。

 

ピアノを弾くのが好きだ。

でも、上手くはない。好きなのだけど、難しい曲を練習したりはしていない。

 

○○が好きだ。

でも、上手くはない。好きなのだけど、じっくりと練習したりはしていない。

 

禁欲・禁酒が好きだ。

でも、続かない。好きなのだけど、命を掛けてまで禁じようとは思わない。

 

ある日のこと。

 

プロの禁欲・禁酒家の講演会があり、話を聞きに行った。

その人は色んなことを熱く語っていた。

その人は作家でもあり映画監督・歌手・俳優でもあるのだった。

 

質疑応答の時間になり、僕は挙手する。

 

僕:「とても刺激的な話をありがとうございました。

   僕もある意味、死ぬ気で禁欲・禁酒に励んでますけども、

   どうしても欲に溺れそうだという気持ちになった時、

   どうしたらいいものでしょうか?」

 

「はい。簡単ですよ。あなた、全然、死ぬ気になってないんですよ」

 

僕:「えっ」

 

「ある意味、とか言ってる時点でダメなんですよ。本気で死ぬ気になってください」

 

僕:「……」

 

「死ぬ気、というのを比喩みたいに言ってるから全然ダメなんですよ。

 禁欲・禁酒以外も、たぶん、あなたは全部においてダメなんですよ。

 死ぬ気でやって鬱になったらどうするのとか、本気でやってもコストパフォーマンスが悪いとか、そういうこと思ってたら全部ダメなんですよ」

 

僕:「……はい」

 

「あなた、何か得意なことはありますか?」

 

僕:「得意というか、まあ、将棋とか絵とかピアノとかを嗜んでいます」

 

「好きで嗜んでるけど、実力はそんなに、みたいな?」

 

僕:「まあ、そうです」

 

「じゃあ、今日から、それらを死ぬ気でやってください。

 死ぬ気で練習してください。好きなんでしょ?

 なんで好きなのにそこそこレベルでやめてしまうんですか?

 疲れる? 面倒? コストパフォーマンスが低い? 時間がない?

 あのね、そんなこと言ってる人がね、禁欲とか禁酒とか、絶対無理だよ」

 

僕:「……」

 

「次飲んだ時は、とか、リセット、とか、ないんだよ。

 禁酒は生きるか死ぬかなんだよ。ブログに『リセットしました』とかないんだよ。

 死ぬ気で、じゃなくて、死ぬ。気持ちの上で死ぬとか、思いとして死ぬとかじゃなく、本気で死ぬんだよ。

 同じく、全力で将棋しろ。全力で絵を描け。全力でピアノを弾け。

 死ぬ気じゃなくて、死のうとしてやらないと全然ダメなんだよ」

 

僕:「……あ、はい……」

 

「ということで、全力でやってください」

 

僕:「……ありがとうございました」

 

帰宅。

確かに、命を賭けて将棋をしたことはない。

命を賭けて絵を描いたことなんてない。

逆に、どうやれば命を賭けることができるのか、わからない。

 

そこまでの情熱をどう燃やせばいいのか。

 

それが思い浮かばないという時点で、全然、『全力』とは程遠いのかもしれない。