nananashinaの日記

禁欲・禁酒で人生を立て直す

日報8日目 それでも漫画を描く

子供の頃はよく漫画を読んだ。

ある世代にとって、漫画とゲームは『生きている世界』そのものだった。

もちろん、テレビや音楽もあった。

けれど自分にとって、よりコアな要素は漫画だった。

 

漫画を作ることに憧れた時期もあった。

けれど、そこが夢の宝船ではないことを、子供ながらに気づいていた。

『夢』という言葉の純粋性と、そこに纏わりつくビジネス性の両方を満足し続けなければ、漫画を作り続けることはできない。

 

僕は普通に高校を卒業し、大学を卒業し、サラリーマンになった。

いつしか、漫画への興味が劣化していった。

漫画を読まなくなった。

昔の漫画も今の漫画も読まなくなった。

そして、漫画を描こうという気もなくなった。

 

漫画という現象に対して、時間を消費する動機がなくなった。

でも、それは理屈的なものだった。

脳みその原始的な部分は、まだ漫画に対して執着していた。

それは何気ない瞬間にふと思い出す幼い頃の風景に似ている。

 

最近の僕は、常に焦燥感に駆られている。

仕事のことや将来のことや燻っている感情や人間関係や直近の課題や悩みや原因不明の不快感が不協和音のノイズを奏でている。

 

酒や情報に逃げたくなる。

 

例えれば、敵軍の戦車隊がこちらに迫ってきているが、こちらはろくな武器がない、みたいな状態。

策を練って何かするべきなのかもしれないのに、もう疲弊していて頭も身体も動かない。

そんなときは、どのみち死ぬんだと酒と性に溺れたくなる。

そんな憐れでバカな兵士の姿。

 

そんな姿が、今の僕の姿の正確な描写としてふさわしい。

 

僕は何をするべきなのか。

 

酒も性も自分を救わない。

 

今の自分はそう思うに至っている。

 

僕に残されているのは戦車隊と戦うことだけだ。

だけれど、準備として出来ることなんか多くはない。

 

酒にも性にも溺れずに、残りの時間をどう過ごすか。

 

街は酔っ払った兵士たちで溢れていた。

投げやりな勢いで商業主義という名の美酒に酔う。

巨大な液晶ディスプレイには性的な視覚情報が踊っている。

アイドル、イケメン、アニメ、グルメ、スポーツ、テクノロジー。

 

明日には戦車隊がこの街にやってきて、全てを破壊していく。

僕たちは5時に起きてライフルや小型爆弾を手に彼らと対峙する。

高度に消音されて「ポス、ポス、ポス」という気の抜けた銃声が僕たちの命を絶つ。

撃たれたと思った瞬間には身体の中で弾丸が数百オーダーの数で拡散しているので即死。

痛いと思うより早く、脳みそは全ての感覚を手放していて、僕は僕を維持しない。

 

僕はそんな未来を前にして、何をするべきなんだろう。

 

答えは単純だ。

 

ずっと昔からわかっていた。

そして、変な理屈をつけて逃げていたこと。

 

何をするべきか。

そう。

 

僕は漫画を描くしかない。

 

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座禅会でおっさんにお茶を立ててもらったことを描く。

おっさんは陶器を作る職人だという。そんな生き方もあるのか、と思う。

 

色即是空

空即是色

 

ある、は、ない。ない、は、ある。

 

何を今更言ってるのか、と言われてもしょうがないかもしれないし、そんな禅問答は飽きたと言われるかもしれないが、ここは本当に面白いと個人的には思う。

 

恐怖、というのは人間が作り出した幻想だ。

恐怖というものは本当はない。怖いと思うから怖いのだ。

 

だから恐怖なんてどうでもいい、ということではない。

それが、2行目だ。

 

『無い』ものから恐怖が生まれる。

空から色が生まれる。それは確かに人間の成すことだ。

やってしまっていることだ。

液晶ディスプレイの色彩変化から美少女を見てしまう、人間の性。

でも、それは、ある。あるから、どうするんだ? と言われている。

 

ある、というのは、本当は、無いんだよ。

でも無いものから『ある』を見てしまう、それが人間だ。

 

で、あなたは、どうする?

 

で、僕はライブを見た。

ものすごい轟音のライブで耳がおかしくなった。

でもそれ以上に得るものがあった。

 

音と音の間に僕は情景を見た。

それはほとんど宗教的な体験に近かった。

 

『無い』ものから、『ある』を見た。

 

感情や情景は、確かに人から人へと伝わる。

 

そういう奇跡は確かに存在する。

それを感じた。

 

 

初心に返って、自分の描いた漫画ノートを見直す。

どうしょうもない漫画がいっぱいあってどうしょうもない気分になったので、一部を貼って供養する。

 

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この『だからどうした』感が半端ない。